大自然の国カナダ
Scenes of Canada
カナディアン・ソーラーのふるさとカナダの、豊かな自然や野生動物、素朴なライフスタイルなどをご紹介します。
カナダの野生動物 | 抜群の視力と鋭いツメで獲物を狙う、白銀世界のハンター シロフクロウ
映画ハリーポッターの中で、ハリーのペット「ヘドウィグ」として登場するのがシロフクロウです。白い羽毛に覆われた姿はどことなく神秘的で、北米先住民の間では古くから幸福のメッセンジャー、守り神、知恵の象徴などとして崇められてきました。
白い羽毛は、北極圏を繁殖地としているための保護色です。大きな体を雪景色に同化させ、音もなく滑空し、鋭い鉤ツメを使ってネズミやキツネ、ウサギなどの獲物を捕らえます。羽を広げると長さは1.5メートルにもなり、体重はメスの方が大きく約2.3キロ、オスで1.8キロ。フクロウの仲間では最も大きな体を持ちます。
夜行性として知られる他のフクロウとは異なり、シロフクロウは主に日中に活動します。北極圏では夏には大変日が長く、白夜になることもあるため、明るい光の中での狩りが得意になったのです。視力は抜群。双眼鏡のように長い眼球を持ち、はるか遠くで動く小さな獲物も見分けることができます。人間のように眼球を動かすことはできませんが、その代わりに首が270度も回転。首を動かすことで広大な視界を確保しています。
獲物が狙いづらくなる冬には、多くのシロフクロウは南下します。北米、ヨーロッパ、アジアなど広いエリアで観測が可能。カナダでは11月から3月頃にかけてケベック州やオンタリオ州の草原や湿地帯など、見通しのいい場所でその姿を見ることができます。干し草や木の上に止まり、あたりを睥睨する様子は貫録いっぱい。ケベック州では州鳥としても登録されており、ひときわ象徴的な存在となっています。