Canadian Style 太陽とともに - カナディアン・ソーラーのウェブマガジン

Scenes of Canada

カナディアン・ソーラーのふるさとカナダの、豊かな自然や野生動物、素朴なライフスタイルなどをご紹介します。

カナダのくらし Canadian Life | 家族と共に成長する手作りの我が家

ブリティッシュ・コロンビア州スコーミッシュ バンゼラさんご一家

写真:裏庭にあるツリーハウスは子供たちの秘密基地

カナダ西海岸の豊かな自然の中で子育てしたいと選んだ家。家族に合わせて自らリノベーションしてきたわが家は、子供たちの創造力も育み、みんなが楽しく過ごせる素敵な空間へと進化しているようです。

海と山に囲まれた、素晴らしい環境の中に建つ家

湖のように穏やかな入り江ハウサウンドと、垂直に切り立った岩山スタワマス・チーフ。スコーミッシュの街は、そんなとびきり印象的な海と山の絶景の中に、静かにたたずんでいます。カナダ西海岸最大の都市バンクーバーと、アウトドアリゾートとして世界的に知られるウィスラーとのちょうど中間地点にあり、どちらへも車で1時間で行ける立地の良さ。便利な上、その環境の素晴らしさも評判で、多くのカナディアンが憧れる場所です。

ジェイソンさんとジェニファーさんのバンゼラご夫妻は、この理想的な町で、10才、8才、6才の3人の子供たちを育てながら賑やかに暮らしています。

鬱蒼とした緑の中にあるお宅の敷地は、260坪。住宅街ながら、木々に囲まれ、広々とした庭が広がる様子は、まるで森の中の一軒家といった趣です。もっともこのあたりではこうした家は珍しくなく、一軒一軒がゆったりとしたスペースで建つのが当たり前。日本の27倍もの面積をもつカナダならでは、といったところでしょうか。

家屋は板張りのシンプルな外観で、広大な敷地内ではこぢんまりと見えますが、実際には1階が36坪、2階が27坪と余裕のサイズ。5人で暮らしても十分な広さがあります。

ハウ海峡に面してそびえる岩山スタワマス・チーフがスコーミッシュの象徴。ロッククライミングの名所としても有名
ハウ海峡に面してそびえる岩山スタワマス・チーフがスコーミッシュの象徴。ロッククライミングの名所としても有名
近年、ロープウェイと展望台が設置され、観光スポットとしても注目されるエリア
近年、ロープウェイと展望台が設置され、観光スポットとしても注目されるエリア
大きな木々に囲まれ、環境抜群のバンゼラ邸
大きな木々に囲まれ、環境抜群のバンゼラ邸

自然と隣り合わせの生活を、子供たちと楽しみたい

ご夫妻はここを2007年に購入しました。以前もこの近くにある平屋建ての家に住んでいたのですが、子供が生まれ、手狭になったため、より広い家に移ることにしたそうです。その際、価格や間取りなど、家選びのポイントは様々にありましたが、第一条件は、とにかくスコーミッシュに住み続ける、という点だったといいます。

「僕もジェニファーもこの町で育ち、この周辺の自然の中でありとあらゆるアウトドアスポーツを楽しんできました。今、この家をベースにして、子供たちにも同じことを体験させてあげたいと思っています」
というジェイソンさん自身、今も冬はスキーにホッケー、そして夏はゴルフにマウンテンバイクと、アウトドア三昧の日々を送っています。

また奥様のジェイミーさんも、マウンテンバイクやハイキング、そしてヨガと、とにかくアクティブ。子供たちにはアウトドアスポーツを「教える」というよりは、それぞれ好きなことを家族で楽しみ、そのエキサイティングな感覚を共有するといった感じです。実際、アウトドアで遊ぶことは3人の子供たちにとっては当たり前のこと。生活の中の一部となっているようです。

花が飾られウエルカミングな雰囲気が漂う玄関
花が飾られウエルカミングな雰囲気が漂う玄関
樹木に囲まれた庭にはりだしたウッドデッキ。夏にはここでBBQ をすることもしばしば
樹木に囲まれた庭にはりだしたウッドデッキ。夏にはここでBBQ をすることもしばしば

すぐ近くにある名門ゴルフ場がジェイソンさんの仕事場
すぐ近くにある名門ゴルフ場がジェイソンさんの仕事場
ジェイソンさんとジェニファーさん。丸太テーブルが置かれた手作りパティオにて
ジェイソンさんとジェニファーさん。丸太テーブルが置かれた手作りパティオにて

家族の成長に合わせて我が家をカスタマイズ

カナダでは、2×4、2×6などの建材を使い、100年近く利用できる住宅が主流です。このため、家族構成の増減に合わせ、適した古い家を購入して移り住み、リノベーションしながら住む、というのも一般的です。バンゼラ家が住む家も、1980年代に建てられたもの。購入時から子供が増えて5人家族となり、それに伴って様々な改修を加え、自分たち流にカスタマイズしてきました。

1階には大きなリビングルームとキッチン、ダイニングルームが、ゆったりとレイアウトされています。ここは家族みんなが集まる、家のコアとなる場所。そして2階がプライベートスペースで、ご夫婦が使うマスターベッドルームとバスルーム、子供部屋が2つ、合計3室が並びます。

リノベーションは自分たちで手がけました。ジェイソンさんはウッドワーク(木工)が趣味ということもあり、家の改修などはお手の物です。家の中にある丸太のテーブルやバスルームの手洗い台やベンチといった大物家具、そして写真フレームなどの小さなインテリアグッズまで、ジェイソンさんの作品。ゴルフ場で切り倒された木や、フェンスの廃材、河原で拾ってきた流木などを利用して作られています。この手作り品満載の家は、子供たちにとってはまるで宝島といったところです。

暖炉のあるリビングルーム
暖炉のあるリビングルーム
テーブルや壁の写真フレームはジェイソンさんの作品
テーブルや壁の写真フレームはジェイソンさんの作品
末っ子イーサン君のベッドルーム
末っ子イーサン君のベッドルーム
テーブルや壁の写真フレームはジェイソンさんの作品
テーブルや壁の写真フレームはジェイソンさんの作品
ウッディな雰囲気のマスターベッドルーム
ウッディな雰囲気のマスターベッドルーム
シドニーちゃんとハーレイちゃんの部屋。ベッドの下に机や棚をセット
シドニーちゃんとハーレイちゃんの部屋。ベッドの下に机や棚をセット
天窓から光がさす明るいキッチンは、自然と家族が集まる場所
天窓から光がさす明るいキッチンは、自然と家族が集まる場所

みんなが安心して遊び、くつろげる、そんな居心地のいい家に

「子供たちの遊び場はいくらでもありますね。家の中から庭まで自由に飛び回っています。裏庭にはジェイソン手作りのツリーハウスもあり、これもお気に入りの場所です。3人とも、遊んでいるうちに次から次へと楽しいアイデアが湧いてくるようで、とにかく忙しそうですよ」
 とジェニファーさん。普段はこうして家の周りで元気に遊び、夏の日の長い夕方や休日は一緒に自然の中へ、というのがバンゼラ家のスタイル。

「子供たちが独立してふたたび夫婦二人になるまでは、ここに住み続けると思います。だからみんなが安心して遊び、そしてゆっくりとくつろげるような安全で居心地のいいスペースにしたいと思っています。この家でみんなの力を合わせ、健康で、楽しく、子供も大人も一歩一歩前進! これが今の目標です」

今後、子供たちの成長にあわせ、さらにリノベーションが必要になるかもしれませんが、それも家の歴史として楽しみながらやりたいと、嬉しそうに語るご夫妻でした。

芝生スペースで文字通り飛んだり跳ねたり
芝生スペースで文字通り飛んだり跳ねたり
ホッケーやバスケットボールで親子対決も
ホッケーやバスケットボールで親子対決も
手作りファイヤーリングでの焼きマシュマロは子供たちの大好物
手作りファイヤーリングでの焼きマシュマロは子供たちの大好物

※取材:2016年8月

撮影:千安英彦 取材:Chieko