2025.09.16
カナディアン・ソーラー、革新的な低炭素太陽光モジュールを発表 — 持続可能な製造における新たな業界基準を確立
Canadian Solar Inc.(本社:カナダ・オンタリオ州キッチェナー、CEO:ショーン・クー、NASDAQ:CSIQ、以下「カナディアン・ソーラー」)は、本日、最新のウェーハ技術と先進的なヘテロ接合(HJT)セル技術を融合させた次世代低炭素(LC)モジュールを発表しました。この低炭素モジュールは、業界トップクラスの炭素排出量(CO₂換算)285kg/kWを達成し、シリコン系太陽光モジュールの中で世界最低レベルのカーボンフットプリントを誇ります。これにより、持続可能なソーラー製造における新たな基準を確立しました。
この新しいLCモジュールは、大規模事業用途および商業・産業(C&I)用途向けに設計されており、最大660Wpの出力を実現し、モジュール効率は最大24.4%に達します。2025年8月より出荷を開始しています。
カナディアン・ソーラーは、インゴット、ウェーハ、HJTセル技術における独自のイノベーションを通じて、これらの低炭素モジュールを開発しました。各技術革新により、エネルギー消費と炭素排出量の削減が実現されています:
- インゴット利用率の向上:インゴットの利用効率を約20%向上させることで、約9.7%(1kWpあたり30kgのCO₂)の排出量削減を達成。
- ウェーハの薄型化:ウェーハ厚を110μmに薄型化(従来のTOPCon/BCは130~135μm)、これによりシリコン消費量とCO₂排出量を4.5~5.5%(1kWpあたり14~19kg)削減。
- HJTセル製造の最適化:製造工程を4ステップに簡略化(TOPCon/BCでは10~13ステップ)し、動作温度を230℃未満に低下(従来は960~1050℃)。これによりエネルギー消費を4.2~5.7%(1kWpあたり14~21kgのCO₂)削減。
- 総エネルギー消費の削減:モジュール全体の生産プロセスにおけるエネルギー消費は約105.62 MWh/MWであり、TOPConやBCモジュールと比べて8.8~10.7%の節電を実現。
これらの技術革新により、カナディアン・ソーラーのLCモジュールのカーボン・ペイバックタイム(炭素回収時間)は約11%短縮され、従来のN型シリコンモジュールと比較して環境負荷が大幅に軽減されました。LCモジュールは、業界トップクラスの高効率・高出力モジュールを導入しながら、太陽光発電システム全体のカーボンフットプリントを大幅に削減するという、2つの目標を同時に達成することが可能になります。
さらに、LCモジュールはカナディアン・ソーラーのインバータ製品との完全な互換性を備えており、例えば350kWのユーティリティ向けインバータ製品は40AのMPPT DC入力電流に対応しております。これによりバイフェイシャル効果を最大限に引き出し、45℃までの高温環境でも優れた性能を維持します。
カナディアン・ソーラーのシニアヴァイスプレジデントのトーマス・カーナー氏は次のようにコメントしています。「当社の新しい環境配慮型・低炭素モジュールの発表は、持続可能な太陽光発電の製造における重要なマイルストーンです。最新のウェーハ技術とHJTセル技術を融合させることで、太陽光発電の信頼性と高効率を維持しながら、環境負荷を大幅に削減しています」