2025.09.10news

2025年第2四半期の業績発表

 Canadian Solar Inc.(本社:カナダ・オンタリオ州キッチェナー、CEO:ショーン・クー、NASDAQ:CSIQ、以下「カナディアン・ソーラー」)は、2025年第2四半期(2025年4月1日~6月30日)の業績を発表しました。

2025年第2四半期のハイライト

  • 太陽電池モジュールの出荷量は、前四半期比14%増の7.9GWで、目標レンジ(7.5~8.0GW)を達成。
  • 売上総利益率は29.8%で、目標レンジ(23~25%)を達成。
  • 2025年5月29日に、国際的な報告基準に沿った最新の開示内容を盛り込んだ「2024年サステナビリティレポート(2024 Sustainability Report)」を発行。

2025年第2四半期の業績

 2025年第2四半期に売上高として計上されたモジュール総出荷量は、前四半期比14%増、前年同期比4%減の7.9GWでした。この出荷量には、自社の大規模太陽光発電プロジェクト向けに出荷した672MWを含みます。

 2025年第2四半期の売上高は、前四半期比42%増、前年同期比4%増の17億ドルでした。これは主に、蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)および太陽電池モジュールの売上の増加によるものです。

 売上総利益は5.05億ドルでした(2025年第1四半期:1.40億ドル、前年同期:2.82億ドル)。売上総利益率は29.8%でした(2025年第1四半期:11.7%、前年同期:17.2%)。売上総利益率が前四半期比、前年同期比ともに上昇した主な要因は、米国プロジェクトの販売形態リースに伴う未実現利益(リース開始時にその資産は会社のバランスシートから離れ、売上が計上され、利益は繰延べ処理が行われている)の計上、蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)による利益率の寄与拡大、ならびに米国の反ダンピング関税(「AD」)および相殺関税(「CVD」)に関する精算調整による効果でした。

 営業費用は、3.78億ドルでした(2025年第1四半期:1.95億ドル、前年同期:2.34億ドル)。営業費用が増加した主な要因は、一部の太陽光発電および蓄電池資産、ならびに製造資産に関連する減損費用です。営業費用は売上高の22.3%を占めました(2025年第1四半期:16.3%、前年同期:14.3%)。

 2025年第2四半期の米国一般会計原則(GAAP)に基づくカナディアン・ソーラーに帰属する純利益は700万ドル、希薄化後1株あたり損失は0.08ドルでした(2025年第1四半期:純損失3,400万ドル、希薄化後1株あたり損失0.69ドル。前年同期:純利益400万ドル、希薄化後1株あたり利益0.02ドル)。

 2025年第2四半期のカナディアン・ソーラーに帰属する調整後純損失(Non-GAAP)は2,300万ドル、調整後1株あたり損失(希薄化後)は0.53ドルでした(2025年第1四半期:調整後純損失6,000万ドル、調整後1株あたり損失1.07ドル。前年同期:純利益400万ドル、1株あたり利益0.02ドル)。2025年第1四半期および第2四半期のカナディアン・ソーラーに帰属する調整後純損失および調整後1株あたり損失(希薄化後)は、簿価仮想清算(HLBV)手法を使用した利益の認識を除外しています。当社は、利益と損失を、税制優遇を目的とした投資家に帰属させる方法としてHLBV手法を使用しています。HLBVの定義についてはリカレント社の項を、最も近いGAAP指標との調整については「Non-GAAP指標について」をご参照ください。

 2025年第2四半期に営業活動を通じて獲得したキャッシュは1.89億ドルでした。運転資金の変動、特に棚卸資産の減少が寄与しました(2025第1四半期:営業活動を通じて流出したキャッシュ:2.64億ドル、前年同期:同4.29億ドル)。

 2025年6月30日時点の負債総額(融資負債を含む)は63億ドルで、内訳はCSIソーラーが25億ドル、リカレント社が35億ドル、転換社債が3億ドルでした。負債総額が2025年3月31日時点の57億ドルから増加した主な要因は、プロジェクト開発および運用資産のための新規借入です。2025年6月30日時点のノンリコースローン(非遡及型)の総額は18億ドルでした。

事業部門

 当社には、CSIソーラーとリカレント社、2つの事業部門があり、その業績報告を行っています。CSIソーラーは太陽電池モジュールおよび蓄電池の製造と製品に特化しており、リカレント社は、大規模太陽光発電プロジェクトおよび蓄電池プロジェクトの開発と運営を行っています。

リカレント社

 リカレント社は、2025年6月30日時点で世界に合計約27GWpの太陽光発電プロジェクト開発パイプラインと80GWhの蓄電池プロジェクト開発パイプラインを保有する、業界トップレベルの企業です。

 リカレント社のビジネスモデルは次の主要3分野から構成されています。

  • 運用ポートフォリオからの売電収入:通貨相場が安定している成長市場で安定した多様なキャッシュフローを確保しつつ、キャッシュフローや負債の水準を管理するために、一部のプロジェクト所有権を売却します。
  • 資産の売却(太陽光発電および蓄電池):世界のその他の地域において、プロジェクト売却から得られる資産売却益として現金効率の高い資金を受けた成長モデルを推進することで、通貨相場が安定している市場で運用資産を成長させるための資金を確保します。
  • 電力サービス(O&M):長期O&M契約(現在、契約締結済みのプロジェクト:約14GW)を通じて、安定的かつ長期的な経常収益の拡大とプロジェクト開発プラットフォームとの相乗効果を生み出します。

太陽光発電プロジェクト開発パイプライン

 当社の太陽光発電プロジェクト開発パイプラインは、2025年6月30日時点で、建設中が2.0GWp、バックログが4.2GWp、初期~中期開発段階のプロジェクトが21.1GWpで、合計27.3GWpでした。プロジェクト・パイプラインの分類は次の通りです。

  • バックログ・プロジェクト:投資リスク期間(状況の急変が起こる可能性がある期間)を過ぎた、今後1~4年間に着工予定の後期段階のプロジェクトです。プロジェクトの投資リスク期日はプロジェクトが建設される国によって異なりますが、プロジェクトが高リスクの開発段階を終えた日と定義されています。通常は、プロジェクトが必要な環境・規制上のすべての許認可を取得済みで、接続契約およびオフテイク契約(FITの確保、電力購入契約(PPA))の締結が完了した後の時点となります。バックログ・プロジェクトの大部分は契約済み(PPAまたはFITの契約を締結済み)で、残りはPPAを締結する可能性がかなり高い状況にあります
  • 中期段階のパイプライン・プロジェクト:接続契約を締結済み、あるいは締結する可能性が90%超の中期段階のプロジェクトです。
  • 初期段階のパイプライン・プロジェクト:当社が管理する、接続契約の締結手続き中の初期段階のプロジェクトです。

 当社のプロジェクト開発パイプラインの規模は、発電容量と蓄電池容量の拡大の可能性、および将来の収益成長の可能性を示す重要な指標ですが、パイプライン・プロジェクトの開発は本質的に不確実です。パイプライン・プロジェクトが適時に完了しなかった場合、期待した効果が期待された範囲で実現できず、当社の事業、財政状況や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社の将来の業績および決算に関するガイダンス(目標レンジ)および予測は、パイプラインにある一部の太陽光発電プロジェクトおよび蓄電池プロジェクトの完成を前提としています。実行可能なパイプラインを実行できない場合、ガイダンス(目標レンジ)を下回る可能性があり、普通株式の市場価格、事業、財務状況または業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

HLBV手法

 当社は、米国の太陽光発電プロジェクトおよび蓄電池プロジェクトにおける、税制優遇を目的とした投資家(タックス・エクイティ投資家)との契約上の提携関係の会計処理を行うにあたり、簿価仮想清算(HLBV)手法を適用しています。HLBV手法は、償還可能な非支配持分に帰属する損益を配分するものであり、当社子会社とタックス・エクイティ投資家との間の出資や分配といった資本取引を考慮した上で、各報告期間の期首および期末に清算が行われたと仮定した場合に、タックス・エクイティ投資家が受け取ると想定される金額の変動を反映しています。

 下表は、2025年6月30日時点の当社の太陽光発電プロジェクト開発のすべてのパイプラインを示しています。

太陽光発電プロジェクト開発パイプライン(2025年6月30日時点)(MWp※)
地域建設中バックログ中期開発段階初期開発段階合計
北米2765474275,0246,274
欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域1,0731,704※※8724,7678,416
中南米128※※8233525,6666,969
アジア太平洋地域(中国と日本を除く)1712754301,2892,165
中国300780※※2,1003,180
日本523380127292
合計2,0004,1622,16118,97327,296
※すべての数字は正味MWp。

※※建設中のプロジェクト63MWpおよび第三者所有または第三者に売却済みのバックログ・プロジェクト551MWpを含む。

蓄電池プロジェクト開発パイプライン

 当社の蓄電池プロジェクト開発パイプラインは、2025年6月30日時点で、建設中およびバックログが6.4GWh、初期~中期開発段階のプロジェクトが73.8GWhで、合計80.2GWhでした。

 下表は、2025年6月30日時点の当社の蓄電池プロジェクト開発のすべてのパイプラインを示しています。

蓄電池プロジェクト開発パイプライン(2025年6月30日時点)(MWh)
地域建設中バックログ中期開発段階初期開発段階合計
北米60020060020,64422,044
欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域432,7084,49331,79039,034
中南米1,3201,3852,705
アジア太平洋地域(中国と日本を除く)4402407402,5804,000
中国1,2006,6007,800
日本89362,0311,6504,625
合計1,0915,2849,18464,64980,208

CSIソーラー

太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム・キット

 CSIソーラーは、2025年第2四半期に7.9GWの太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム・キットを70カ国以上に出荷しました。出荷量の上位5カ国は、米国、中国、パキスタン、スペイン、オーストラリアでした。

 下表は、CSIソーラーの生産能力拡張目標(更新版)を示しています。

太陽電池生産能力(GW/年)
2025年6月
実績
2025年12月
計画
インゴット31.031.0
ウエハー37.037.0
セル36.232.4
モジュール59.051.2

※各時点における年間生産能力。生産能力拡張計画は、市況および資本配分計画に応じて予告なく変更する可能性があります。

e-STORAGE:蓄電池ソリューション

 2025年6月30日現在、e-STORAGEの長期サービス請負契約を含む契約済みの受注残は30億ドルでした。これらは、お客様に対する契約上の義務を伴う契約締結済みの注文であり、複数年にわたり、重要な収益の見通しを示すものです。

 下表は、e-STORAGEの生産能力拡張目標を示しています。

e-STORAGEの生産能力拡張計画※ 
2025年6月
実績
2025年12月
計画
2026年12月
計画
SolBank蓄電池ソリューション(GWh/年)101524
バッテリーセル(GWh/年)339
※各時点における年間生産能力(単一シフトベース)。生産能力拡張計画は、市況および資本配分計画に応じて予告なく変更する可能性があります。

業績見通し

 当社の業績見通しは、市況、受注量、生産能力、投入資材価格、為替変動、プロジェクト売却の予定時期、世界の経済情勢などの要因を考慮した、経営陣の最新の見解および予測に基づいています。お客様の需要、プロジェクトの建設・売却スケジュール、製品の販売価格・コスト、サプライチェーンの制約や地政学的な紛争などに関する見通しは不確実な要素を含んでいます。経営陣の見解および予測は、予告なく変更される可能性があります。

 2025年第3四半期の総売上高は13億~15億ドルの見込みです。売上総利益率は14~16%と予想しています。CSIソーラーの売上高として計上されるモジュール総出荷量は5.0~5.3GWの見込みです。2025年第3四半期のCSIソーラーによる蓄電池総出荷量は2.1~2.3GWh(このうち約250MWhが自社プロジェクト向け)の見込みです。

 2025年通期については、CSIソーラーのモジュール総出荷量を25~27GW(このうち約1GWが自社プロジェクト向け)と見込んでいます。CSIソーラーの蓄電池総出荷量は7~9GWh(このうち約1GWhが自社プロジェクト向け)と見込んでいます。総売上高は56億~63億ドルと見込んでいます。

 会長兼CEOのショーン・クー博士は、次のようにコメントしています。「引き続き市場環境が厳しい中、第3四半期の利益率は緩やかに推移すると予想しています。また、蓄電池事業の収益性については、標準的な水準での直近の受注が反映されています。当社は通期のモジュール出荷量のガイダンス(目標レンジ)の幅を絞った一方で、下半期に向けた見通しがより明確になったため、蓄電池出荷量の目標レンジは維持しました。通期の売上高見通しについては、一部のプロジェクト売却が2026年にずれ込むことや、モジュール価格の設定に対するより慎重な見方を反映して調整しています。下半期も依然として厳しい状況が続き、太陽光発電サプライチェーンの価格上昇や、貿易を巡る不透明感が続く見込みです。当社は、成長と収益性の健全なバランスを維持しながら、引き続き規律を持ってこうした状況に対応してまいります」

最近の動向

カナディアン・ソーラー

 2025年5月29日、カナディアン・ソーラーは「2024年サステナビリティレポート(2024 Sustainability Report)」の発行を発表しました。本レポートでは、当社のサステナビリティ戦略と実績、そしてサステナビリティ目標達成に向けた進捗状況を紹介しています。レポートに開示されているサステナビリティに関する情報は、サステナビリティ会計基準審議会(SASB)およびグローバル・レポーティング・イニシアティブ(GRI)が定めた世界基準に沿っており、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が定める国際財務報告基準(IFRS)を参照しています。

CSIソーラー

 2025年7月16日、カナディアン・ソーラーは、子会社であるEternalplanetが設計した家庭用蓄電池システム「EP Cube」が、権威あるレッド・ドットデザイン賞(Red Dot Award 2025)を受賞したことを発表しました。本賞は、EP Cubeを世界で最も優れたデザインの家庭用蓄電池製品の一つとして評価するものです。本賞に加えて、EP Cubeは今年、ifデザイン賞(iF Design Award)やMUSEデザイン賞(MUSE Design Awards)の金賞をはじめとする複数の国際的なデザイン賞も受賞しています。

 2025年6月3日、カナディアン・ソーラーは、エネルギー貯蔵システム「SolBank 3.0」の大規模火災試験(LSFT)に合格したことを発表しました。この試験に合格したことで、SolBank 3.0が電池の熱暴走を単一のケース内に封じ込めるという主要な防火基準を満たしており、発電事業規模での導入においても安全性が向上していることが示されました。

リカレント社

 2025年7月17日、カナディアン・ソーラーは、米国ケンタッキー州ハリソン郡に位置するブルームーン・ソーラープロジェクトのプロジェクトファイナンスおよび税額控除(タックス・エクイティ)ファイナンスを完了したことを発表しました。米国銀行(U.S. Bank)が、子会社のU.S. Bancorp Impact Financeを通じて、税額控除ファイナンスと建設資金の両方を提供し、総額2.6億ドルを拠出します。コンステレーション社は、94MWのブルームーン・ソーラープロジェクトの発電電力および再生可能エネルギー証書(REC)を購入します。このプロジェクトは現在建設中で、2026年に商業運転を開始する予定です。運転開始後は、リカレント社がプロジェクトを所有・運営します。

 2025年7月7日、カナディアン・ソーラーは、米国アリゾナ州マリコパ郡において1,200MWhのパパゴストレージプロジェクトが商業運転を開始したことを発表しました。このプロジェクトは現在、アリゾナ州最大の電力会社であるアリゾナ・パブリック・サービス(APS)に蓄電した電力を供給しています。このプロジェクトは、APSとのトーリング契約が締結されているリカレント社の3件のプロジェクトのうち、最初に運転を開始したプロジェクトです。

財務データ表はこちらをご覧ください。

原文(英文)はこちら:https://www.prnewswire.com/news-releases/canadian-solar-reports-second-quarter-2025-results-302535645.html

出典:Canadian Solar Inc.

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