2025.04.22
2024年第4四半期及び通期の業績発表
Canadian Solar Inc.(本社:カナダ・オンタリオ州キッチェナー、CEO:ショーン・クー、NASDAQ:CSIQ、以下「カナディアン・ソーラー」)は、2025年3月25日(火)に、2024年第4四半期(2024年10月1日~12月31日)及び2024年通期の業績を発表しました。
2024年第4四半期のハイライト
- e-STORAGEの四半期出荷量が過去最高の2.2GWhを記録。
- 2024年12月31日時点で、e-STORAGEのパイプラインが過去最高の79GWhに拡大、このうちバックログの契約総額は32億ドル。
2024年通期のハイライト
- CSIソーラーの太陽電池モジュール出荷量は31.1GW。
- CSIソーラーの蓄電池システム出荷量は6.6GWhで、前年同期比500%超の増加。
- リカレント社(Recurrent Energy)は、過去最高となる1.3GWpの太陽光発電プロジェクトの商業運転を開始。
2024年第4四半期の業績
2024年第4四半期に売上高として計上されたモジュール総出荷量は、前四半期比2%減、前年同期比1%増の8.2GWでした。この出荷量には、自社の大規模太陽光発電プロジェクト向けに出荷した401MWを含みます。
2024年第4四半期の売上高は、前四半期比1%増、前年同期比11%減の15億ドルでした。前四半期比で売上高が増加した主な要因は、蓄電池ソリューションの外販売上高の増加とプロジェクト売却による売上高の増加で、この一部は太陽電池モジュールの平均販売価格(ASP)の低下および出荷量の減少と相殺されました。前年同期比で売上高が減少した主な要因は太陽電池モジュールASPの低下で、この一部は蓄電池ソリューションの売上高およびプロジェクト売却による売上高の増加と相殺されました。
2024年第4四半期の売上総利益は、前四半期比12%減、前年同期比2%増の2.17億ドルでした。売上総利益率は14.3%でした(2024年第3四半期:16.4%、前年同期:12.5%)。前四半期比で売上総利益率が減少した主な要因は、モジュールASPの低下です。前年同期比で売上総利益率が増加した主な要因は、蓄電池ソリューションの外販売上高とプロジェクト売却による売上高の利益率の上昇です。
2024年第4四半期の営業費用は総額3.44億ドルでした(2024年第3四半期:2.47億ドル、前年同期:2.13億ドル)。前四半期期比で営業費用が増加した主な要因は、一部の製造資産および太陽光発電資産に関連する減損費用です。前年同期比で営業費用が増加した主な要因は、減損費用および輸送費と取扱手数料の上昇です。
2024年第4四半期の減価償却費は1.35億ドルでした(2024年第3四半期:1.34億ドル、前年同期:8,900万ドル)。前四半期比および前年同期比で減価償却費が増加した主な要因は、過去2年間にわたる垂直統合への投資に伴う支払と主要な戦略市場における生産能力拡張です。
2024年第4四半期の支払利息は900万ドルでした(2024年第3四半期:2,000万ドル、前年同期:1,800万 ドル)。前四半期比および前年同期比で支払利息が減少した主な要因は、利息収入の増加です。
2024年第4四半期の為替ヘッジによるデリバティブ評価損、為替差益は、1,000万ドルでした(2024年第3四半期:400万ドルの為替差損、前年同期:100万ドル未満の為替差益)。
2024年第4四半期の米国一般会計原則(GAAP)に基づくカナディアン・ソーラーに帰属する純利益は3,400万ドル、希薄化後1株あたり利益は0.48ドルでした(2024年第3四半期:純損失1,400万ドル、希薄化後1株あたり損失0.31ドル。前年同期:純損失100万ドル、希薄化後1株あたり損失0.02ドル)。
2024年第4四半期のカナディアン・ソーラーに帰属する調整後純損失(Non-GAAP)は9,900万ドル、調整後1株あたり損失(希薄化後)は1.47ドルでした(2024年第3四半期:1,400万ドル、1株あたり損失0.31ドル。前年同期:100万ドル、1株あたり損失0.02ドルでした。2024年第4四半期のカナディアン・ソーラーに帰属する調整後純損失および調整後1株あたり損失(希薄化後)は、簿価清算(HLBV)法を使用した利益の認識を除外しています。当社は、利益と損失をタックス・エクイティ投資家に帰属させる方法としてHLBV手法を使用しています。HLBVの定義についてはリカレント社の項を、最も近いGAAP指標との調整については「Non-GAAP指標について」をご参照ください。
2024年第4四半期に営業活動を通じて獲得したキャッシュは6,600万ドルでした(2024第3四半期:営業活動を通じて流出したキャッシュ:2.31億ドル、前年同期:営業活動を通じて獲得したキャッシュ:1.9億ドル)。
2024年12月31日時点の負債総額は52億ドルで、内訳はCSIソーラーが24億ドル、リカレント社が26億ドル、転換社債が2億ドルでした。負債総額が2024年9月30日時点の54億ドルから減少した主な要因は、外貨建て債務に対する為替変動の影響です。
事業部門
当社には、リカレント社とCSIソーラー、2つの事業部門があります。それぞれの機能は以下の通りです。
- リカレント社は、15年の実績を持つ世界最大級のクリーンエネルギープロジェクト開発プラットフォームであり、これまでに約11.5GWpの太陽光発電プロジェクトと4.5GWhの蓄電池プロジェクトを実現してきました。垂直統合されており、グリーンフィールド・プロジェクトの計画、開発、資金調達、建設、実行から運用・保守(O&M)、資産管理まで、豊富な専門知識を持っています。
- CSIソーラーは、太陽電池モジュールおよび蓄電池の製造と、トータルシステムソリューション(インバータ、太陽光発電システム・キット、EPC(設計・調達・建設)サービスを含む)の提供を統括しています。CSIソーラー傘下のe-STORAGEは、大規模ターンキー蓄電池システムの統合ソリューションを提供します。これらの蓄電池システム・ソリューションは様々な用途向けのターンキーでバンカブル(融資適格)なシステム・ソリューション、将来的な蓄電池容量の増設を含む長期的なサービス契約とともに提供されます。
リカレント社
リカレント社は、2024年12月31日時点で世界に合計25GWpの太陽光発電プロジェクト開発パイプラインと75GWhの蓄電池プロジェクト開発パイプラインを保有する、業界トップレベルの企業です。
リカレント社のビジネスモデルは主要3分野(下記)から構成されています。
- 運用ポートフォリオからの売電収入:安定した通貨で成長市場において安定した多様なキャッシュフローを推進します。
- 資産の売却(太陽光発電および蓄電池):世界のその他の地域において、プロジェクト売却から得られる資産売却益として現金効率の高い資金を受けた成長モデルを推進することで、通貨相場が安定している市場で運用資産を成長させるための資金を確保します。
- 電力サービス(O&M)と資産運用:長期O&M契約(現在、契約締結済みのプロジェクト:約13GW)を通じて、安定的かつ長期的な経常収益の拡大とプロジェクト開発プラットフォームとの相乗効果を生み出します。
2024年10月、当社は、ブラックロック社のクライメート・インフラストラクチャー事業が運営するファンドを通じて、ブラックロック社からリカレント社への5億ドルの投資の最終クロージングが完了したことを発表しました。当事者間の合意に基づき、ブラックロック社の総投資額は、株式転換後ベースで、リカレント社の完全希薄化後の発行済み株式の20%に相当します(クロージング直後に決定)。カナディアン・ソーラーは、投資完了後もリカレント社の残りの過半数株式を引き続き保有します。
この投資により、リカレント社は価値の高いプロジェクト開発ポートフォリオへの投資を拡大することができ、米国や欧州など一部の市場において、専業の開発事業者から、開発事業者でありプロジェクトを長期的に保有・運営する企業へと移行するという戦略を進めることができます。こうした移行により、リカレント社は低リスクの通貨でより安定した長期収益を生み出し、世界各地で多様なプロジェクト開発パイプラインからより大きな価値を引き出すことができるようになります。
太陽光発電プロジェクト開発パイプライン
リカレント社の太陽光発電プロジェクト開発パイプラインは、2024年12月31日時点で、建設中が1.9GWp、 バックログが4.2GWp、初期~中期段階のパイプラインが18.8GWpで、合計24.9GWpでした。プロジェクト・パイプラインの分類は次の通りです。
- バックログ・プロジェクト:投資リスク期間(状況の急変が起こる可能性がある期間)を過ぎた、今後1~4年間に着工予定の後期段階のプロジェクトです。プロジェクトの投資リスク期日はプロジェクトが建設される国によって異なりますが、プロジェクトが高リスクの開発段階を終えた日と定義されています。通常は、プロジェクトが必要な環境・規制上のすべての許認可を取得済みで、接続契約およびオフテイク契約(FITの確保、電力購入契約(PPA))の締結が完了した後の時点となります。バックログ・プロジェクトの大部分は契約済み(PPAまたはFITの契約を締結済み)で、残りはPPAを締結する可能性がかなり高い状況にあります。
- 中期段階のパイプライン・プロジェクト:接続契約を締結済み、あるいは締結する可能性が90%超の中期段階のプロジェクトです。
- 初期段階のパイプライン・プロジェクト:リカレント社が管理する、接続契約の締結手続き中の初期段階のプロジェクトです。
当社のプロジェクト開発パイプラインの規模は、発電容量と蓄電池容量の拡大の可能性、および将来の収益成長の可能性を示す重要な指標ですが、パイプライン・プロジェクトの開発は本質的に不確実です。パイプライン・プロジェクトが適時に完了しなかった場合、期待した効果が期待された範囲で実現できず、当社の事業、財政状況や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社の将来の業績および決算に関するガイダンス(目標レンジ)および予測は、パイプラインにある一部の太陽光発電プロジェクトおよび蓄電池プロジェクトの完成を前提としています。実行可能なパイプラインを実行できない場合、ガイダンス(目標レンジ)を下回る可能性があり、普通株式の市場価格、事業、財務状況または業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
HLBV手法
当社は、米国の太陽光発電プロジェクトおよび蓄電池プロジェクトにおける投資税額控除投資家との契約上の提携関係の会計処理を行うにあたり、簿価精算(HLBV)手法を適用しています。HLBV手法では、各投資家のプロジェクト純資産に対する持分の変動に基づいて、利益または損失を配分します。
下表は、2024年12月31日時点のリカレント社の太陽光発電プロジェクト開発のすべてのパイプラインを示しています。
太陽光発電プロジェクト開発パイプライン(2024年12月31日時点)(MWp※) | |||||
地域 | 建設中 | バックログ | 中期段階の パイプライン | 初期段階の パイプライン | 合計 |
北米 | 286 | 565 | 637 | 4,443 | 5,931 |
欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域 | 1,005※※ | 1,863 | 1,309 | 4,890 | 9,067 |
中南米 | 128※※ | 860 | – | 4,628 | 5,616 |
アジア太平洋地域(中国と日本を除く) | 171 | 2 | 708 | 1,282 | 2,163 |
中国 | 300 | 900※※ | – | 860 | 2,060 |
日本 | 59 | 53 | – | – | 112 |
合計 | 1,949 | 4,243 | 2,654 | 16,103 | 24,949 |
※すべての数字は正味MWp。
※※建設中のプロジェクト74MWpおよび第三者所有または第三者に売却済みのバックログ・プロジェクト943MWpを含む。
蓄電池プロジェクト開発パイプライン
リカレント社の蓄電池プロジェクト開発パイプラインは、2024年12月31日時点で、建設中およびバックログが9.9GWh、初期~中期段階のパイプラインが65.2GWhで、合計75.1GWhでした。
下表は、2024年12月31日時点のリカレント社の蓄電池プロジェクト開発のすべてのパイプラインを示しています。
蓄電池プロジェクト開発パイプライン(2024年12月31日時点)(MWh) | |||||
地域 | 建設中 | バックログ | 中期段階の パイプライン | 初期段階の パイプライン | 合計 |
北米 | 1,400 | 800 | 760 | 21,250 | 24,210 |
欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域 | – | 3,522 | 3,417 | 28,338 | 35,277 |
中南米 | – | 1,765 | – | – | 1,765 |
アジア太平洋地域(中国と日本を除く) | 440 | – | 980 | 1,780 | 3,200 |
中国 | – | 1,199 | – | 5,000 | 6,199 |
日本 | 8 | 719 | 2,241 | 1,440 | 4,408 |
合計 | 1,848 | 8,005 | 7,398 | 57,808 | 75,059 |
業績
下表は、各期間におけるリカレント社の事業に関する未監査の業績概要を示しています。
リカレント社の業績 (単位:1,000ドル、%がついている数値を除く) | |||||
四半期 | 通期 | ||||
2024年 第4四半期 | 2024年 第3四半期 | 2023年 第4四半期 | 2024年 | 2023年 | |
売上高 | 188,455 | 45,056 | 53,750 | 323,469 | 497,653 |
売上原価 | 174,393 | 30,638 | 31,995 | 257,976 | 292,926 |
売上総利益 | 14,062 | 14,418 | 21,755 | 65,493 | 204,727 |
営業費用 | 53,601 | 35,522 | 22,938 | 155,573 | 108,106 |
営業利益(損失)※ | (39,539) | (21,104) | (1,183) | (90,080) | 96,621 |
売上総利益率 | 7.5% | 32.0% | 40.5% | 20.2% | 41.1% |
営業利益率 | -21.0% | -46.8% | -2.2% | -27.8% | 19.4% |
※第三者顧客およびCSIソーラー部門への販売の効果を含みます。会社間取引の消去に関する情報は、添付の財務諸表をご参照ください。一部のサービスが当社の2つの事業部門によって共有されているため、営業利益(損失)は経営陣による配分・推定値を反映しています。 |
CSIソーラー部門
太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム・キット
CSIソーラーは、2024年第4四半期に8.2GWの太陽電池モジュールおよび太陽光発電システム・キットを70カ国以上に出荷しました。2024年第4四半期の出荷量の上位5カ国は、中国、米国、スペイン、ドイツ、パキスタンでした。
下表は、CSIソーラーの生産能力拡張目標(更新版)を示しています。
太陽電池生産能力(GW/年)※ | ||
2024年12月 実績 | 2025年12月 計画 | |
インゴット | 25.0 | 33.0 |
ウエハー | 31.0 | 37.0 |
セル | 48.4 | 36.2 |
モジュール | 60.2 | 61.0 |
※各時点における年間生産能力。生産能力拡張計画は、市況および資本配分計画に応じて予告なく変更する可能性があります。
e-STORAGE:蓄電池ソリューション
2024年12月31日時点で、e-STORAGEのターンキープロジェクトのパイプライン総容量は79GWh超でした。これには契約済プロジェクトと建設中のプロジェクト、および交渉プロセスのさまざまな段階にあるプロジェクトが含まれます。e-STORAGEはまた、長期サービス契約を締結済みの合計4.9GWh超の稼働済みの蓄電池プロジェクトも保有していました(すべてe-STORAGEがこれまでに開発した蓄電池プロジェクト)。
2024年12月31日現在、長期サービス請負契約を含む契約済みの受注残は約32億ドルでした。これらは、お客様に対する契約上の義務を伴う契約締結済みの注文であり、複数年にわたり、重要な収益の見通しを示すものです。
下表は、e-STORAGEの蓄電池生産能力拡張目標を示しています。
e-STORAGEの蓄電池生産能力拡張計画※ | ||
2024年12月 実績 | 2025年12月 計画 | |
SolBank蓄電池ソリューション(GWh/年) | 20.0 | 30.0 |
バッテリーセル(GWh/年) | 0 | 3.0 |
※各時点における年間生産能力。生産能力拡張計画は、市況および資本配分計画に応じて 予告なく変更する可能性があります。 |
業績
下表は、各期間におけるCSIソーラー部門の事業に関する未監査の業績概要を示しています。
CSIソーラー部門の業績※ (単位:1,000ドル、%がついている数値を除く) |
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四半期 | 通期 | ||||
2024年 第4四半期 |
2024年 第3四半期 |
2023年 第4四半期 |
2024年 | 2023年 | |
売上高 | 1,670,050 | 1,716,330 | 1,701,320 | 6,460,003 | 7,230,550 |
売上原価 | 1,340,011 | 1,396,246 | 1,494,723 | 5,272,722 | 6,121,332 |
売上総利益 | 330,039 | 320,084 | 206,597 | 1,187,281 | 1,109,218 |
営業費用 | 279,874 | 209,257 | 166,120 | 850,499 | 653,135 |
営業利益 | 50,165 | 110,827 | 40,477 | 336,782 | 456,083 |
売上総利益率 | 19.8 % | 18.6 % | 12.1 % | 18.4 % | 15.3 % |
営業利益率 | 3.0 % | 6.5 % | 2.4 % | 5.2 % | 6.3 % |
※第三者顧客およびリカレント社への販売の効果を含みます。会社間取引の消去に関する情報は、添付の財務諸表をご参照ください。一部のサービスが当社の2つの事業部門によって共有されているため、営業利益は、経営陣による配分・推定値を反映しています。
業績見通し
当社の業績見通しは、市況、受注量、生産能力、投入資材価格、為替変動、プロジェクト売却の予定時期、世界の経済情勢などの要因を考慮した、経営陣の最新の見解および予測に基づいています。お客様の需要、プロジェクトの建設・売却スケジュール、製品の販売価格・コスト、サプライチェーンの制約や地政学的な紛争などに関する見通しは不確実な要素を含んでいます。経営陣の見解および予測は、予告なく変更される可能性があります。
2025年第1四半期の総売上高は10億~12億ドルの見込みです。売上総利益率は9~11%と予想しています。CSIソーラーの売上高として計上されるモジュール総出荷量は6.4~6.7GW(このうち約400MWが自社プロジェクト向け)の見込みです。2025年第1四半期のCSIソーラーによる蓄電池総出荷量は約800MWh(このうち約150MWhが自社プロジェクト向け)の見込みです。
2025年通期については、CSIソーラーのモジュール総出荷量をこれまでの見通しと同じ30~35GW(このうち約1GWが自社プロジェクト向け)と見込んでいます。また、CSIソーラーの蓄電池総出荷量についてもこれまでの見通しと同じ11~13GWh(このうち約1GWhが自社プロジェクト向け)と見込んでいます。総売上高は73億~83億ドルと見込んでいます。
会長兼CEOのショーン・クー博士は、次のようにコメントしています。「2025年第1四半期の利益率は、季節要因による出荷量の減少や貿易関連の関税や輸入関税の影響により、当社の蓄電池事業からの貢献度が低下することで影響を受ける見込みです。加えて、リカレント社のプロジェクト資産売却による利益率の低下が、CSIソーラー部門の業績に影響を及ぼすとみられます。太陽光発電市場での再編が進む中、当社は引き続き数量よりも収益性を重視する姿勢を維持しています。今後については、蓄電池の出荷量による利益率への貢献が、グループ全体の利益率向上に寄与すると確信しています。契約済みの出荷量があることで、年間を通じてCSIソーラーによる出荷量が増加する見通しが立っています」
最近の動向
カナディアン・ソーラー
2025年1月28日、カナディアン・ソーラーは、創業者であり会長兼CEOのショーン・クー博士が、権威ある「TIME100 Climate 2024」リストの革新者(Innovator)に選出されたことを発表しました。この受賞は、再生可能エネルギー分野への卓越した貢献と、世界中で太陽光発電と蓄電池のソリューションを推進するクー博士のリーダーシップを称えるものです。
2025年1月15日、カナディアン・ソーラーは、カナダ・オンタリオ州に新たなグローバル本社を開設したことを発表しました。オンタリオ州キッチナーに位置する新本社は、イノベーションと持続可能性への当社のコミットメント、
そして当社がカナダにルーツを持っていることを体現しています。このキッチナーオフィスは、当社の本社として機能するとともに、e-STORAGEやモジュール販売・サービス事業部など、いくつかの子会社の拠点としても活用されます。
CSIソーラー
2025年3月20日、カナディアン・ソーラーは、米国アリゾナ州の100MW/576MWh(DC)の蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)に関して、ストラタクリーンエナジー社のホワイトタンクエナジーストレージLLCと蓄電池供給契約および長期サービス契約(LTSA)を締結したことを発表しました。本プロジェクトは2026年10月に着工予定です。e-STORAGEがBESSの供給、試運転、および長期運用管理を担います。
2025年3月6日、カナディアン・ソーラーは、米国においてAypa Power社が開発している2件・合計1.2GWhの大規模蓄電池プロジェクトについて、蓄電池供給契約および長期サービス契約(LTSA)を締結したことを発表しました。これらのプロジェクトは、2025年第3四半期に着工予定です。試運転完了後は、20年間のLTSAに基づき、e-STORAGEがシステムの運用・保守を担当し、長期的な性能と信頼性を確保します。
2025年2月10日、カナディアン・ソーラーは、コペンハーゲンインフラストラクチャーパートナーズ社(Copenhagen Infrastructure Partners「CIP」)と、その第5次旗艦ファンドであるコペンハーゲンインフラストラクチャーVを通じて、CIP社と南オーストラリア州サマーフィールドにおける240MW/960MWhの蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)の供給契約を締結したことを発表しました。サマーフィールド蓄電池プロジェクトは、2025年内に着工予定で、南オーストラリア州最大級の蓄電池プロジェクトとなる見込みです。
2025年1月8日、カナディアン・ソーラーは、コペンハーゲンインフラストラクチャーパートナーズ社(Copenhagen Infrastructure Partners「CIP」)と、その第4次旗艦ファンドであるCI IVを通じて、スコットランドにおける2件の画期的なプロジェクト向けに合計2GWh(DC)の蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)の供給契約を締結したことを発表しました。各プロジェクトは2時間の蓄電調整容量を備える予定で、いずれも2027年に着工予定です。
2024年12月12日、カナディアン・ソーラーは、米国メリーランド州アナポリスに拠点を置く再生可能エネルギー・プラットフォーム企業であるサンレイサー・リニューアブルズLLC(以下「サンレイサー」)と、3件の重要な契約を締結したことを発表しました。これらの契約には、米国テキサス州における2件・合計315MWhのプロジェクトに関する蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)の供給・試運転契約、およびサンレイサーが手がける複数のプロジェクト向けの最大2GWpの高効率太陽電池モジュール購入契約が含まれています。
リカレント社
2025年3月18日、カナディアン・ソーラーは、リカレント社(Recurrent Energy)が手がけるフォート・ダンカン蓄電池プロジェクトに関するプロジェクトファイナンスおよび投資税額控除が完了したことを発表しました。このプロジェクトは200MWh規模で、米国テキサス州において建設中で、2025年夏までに商業運転を開始する見込みです。プロジェクトファイナンスはNord/LBが主幹事を務め、総額1.12億ドルにのぼる建設・タームローン、タックス・エクイティ・ブリッジローン、信用状(L/C)ファシリティが含まれます。また、リカレント社は、グリーンプリントキャピタル社と7,100万ドルのタックス・エクイティ・パートナーシップ契約も締結しました。
2024年12月10日、カナディアン・ソーラーは、米大手テクノロジー企業と、10年間の電力購入契約(PPA)を締結したことを発表しました。本契約に基づき、契約相手方企業は、スペインで開発中の300MWpの太陽光発電 プロジェクトから再生可能エネルギーを調達する予定です。このプロジェクトはリカレント社が開発を担当しており、2026年までに稼働開始する見込みです。また、リカレント社はこの太陽光発電所を自社で保有・運営する計画です。
財務データ表はこちらをご覧ください。
出典:Canadian Solar Inc.