2020.12.07
2020年第3四半期の業績を発表
Canadian Solar Inc.(本社:カナダ・オンタリオ州、CEO:ショーン・クー、NASDAQ:CSIQ、以下「カナディアン・ソーラー」または「当社」)は、2020年11月19日(木)に、2020年第3四半期(2020年7月1日~9月30日)の業績を発表しました。
2020年第3四半期のハイライト
- モジュール総出荷量は2GWで、2020年第3四半期の指標(2.9~3.1GW)を達成。
- 売上高は前四半期比31%増の14億ドルで、2020年第3四半期の指標(8.4億~8.9億ドル)を達成。
- 売上総利益率は5%で、2020年第3四半期の指標(14~16%)を大きく上回った。
- モジュール・システム・ソリューション(以下「MSS」)事業子会社から当社への特別配当の分配があったこと に伴い、中国での1,260万ドルの源泉徴収税費用差し引き後の、当社に帰属する純利益は880万ドル、希薄化後1株あたりの純利益は15ドル。
- 当社MSS事業のカーブアウトIPOの準備として6億ドルの資金調達、および2.3億ドルの転換社債の発行を完了。
- 2021年のモジュール出荷量の指標を18~20GWとすることをあらためて表明。
- 成長を加速させるため、2021年第2四半期から生産能力を大幅に増強し、2021年末までに生産能力はほぼ倍増となる見通し。
- ブラジルでは、2020年第3四半期以降、地元の大手電力会社とのプライベートオークションや、中南米最大級の金融機関とのコーポレートPPA締結によって、860MWp超の新規PPA(電力販売契約)を確保。
2020年第3四半期の業績
2020年第3四半期のモジュール総出荷量は、世界的に需要が堅調な成長を見せたことから、前年比33%増、前四半期比9%増の3,169MWとなりました。モジュール総出荷量には、自社の大規模太陽光発電プロジェクト向けに出荷された278MWを含みます。
2020年第3四半期の売上高は、前年比20%増、前四半期比31%増の9.14億ドルでした。この成長は、モジュール出荷量とプロジェクト販売の増加によるものですが、モジュール平均販売価格の低下によって部分的に相殺されました。
2020年第3四半期の売上総利益は1.78億ドルで(前四半期比21%増)、売上総利益率は19.5%(2020年第3四半期の指標:14~16%、2020年第2四半期:21.2%)でした。売上総利益率が低下した主な要因は、以前から予想されていたモジュールの平均販売価格の値下げ圧力と、生産原材料コストの上昇ですが、変動幅は予想を下回りました。
2020年第3四半期の総営業費用は1.19億ドルで、第2四半期の1.02億ドルから増加しました。これは主に、研究開発費用と輸送費・取扱手数料の増加によるものです。
2020年第3四半期の営業利益は前四半期比30%増の5,900万ドルでした。
2020年第3四半期の非キャッシュの減価償却費用は5,600万ドル(第2四半期:4,800万ドル、前年同期:3,700万ドル)でした。
2020年第3四半期の純為替差損は1,300万ドル(第2四半期:450万ドルの純為替差損、前年同期:60万ドルの純為替差益)でした。為替差損の増加は、人民元に対する米ドル安が主な要因です。
2020年第3四半期の法人税費用は2,100万ドル(第2四半期:900万ドルの法人税費用、前年同期:1,000万ドルの法人税費用)でした。法人税費用増加の主な要因は、CSI Solarから親会社である当社への1.26億ドルの特別配当の分配に伴う中国での1,260万ドルの源泉徴収税費用を第3四半期に計上したことです。
2020年第3四半期の当社に帰属する純利益は880万ドル、希薄化後1株あたりの純利益は0.15ドル(第2四半期:2,060万ドル・0.34ドル)でした。
2020年第3四半期の営業活動によるキャッシュフローは4,700万ドルのプラス(第2四半期:1.14億ドルの支出)でした。
モジュール・システム・ソリューション(MSS)事業部門
下表は2021年末までの当社の生産能力拡張目標をまとめたものです。あらたに増強される生産能力は全て、HiKuおよびBiHikuシリーズにおける次世代高出力高効率モジュールの生産にあてられます。
生産能力(GW/年、期末時点) |
|||
2020年度 |
2021年上期 |
2021年度 |
|
インゴット |
2.1 |
5.1 |
10.0 |
ウエハー |
6.3 |
11.3 |
11.3 |
セル |
9.6 |
18.2 |
18.2 |
モジュール |
16.1 |
23.2 |
25.7 |
注:当社の生産能力拡張計画は、市況及び資本配分計画に応じて予告なしに変更する可能性があります。 |
プロジェクト・パイプラインについて
当社のプロジェクト・パイプラインは、2020年9月30日時点で合計16.3GWp、内訳は、建設中のプロジェクトが1.3GWp、バックログが3.8GWp、初期段階のパイプラインが11.2GWpでした。バックログには、クリフ・リスク期日(状況の急変が起こる可能性がある期間)を過ぎた今後1~4年間に建設予定のプロジェクトが含まれます。クリフ・リスク期日は、プロジェクトが建設される国によって異なりますが、プロジェクトが高リスクの開発段階を終え
た日(通常は、環境・規制関連の全ての許認可を取得済みで、接続契約の締結、FITの確保、電力販売契約(PPA)の締結がされている状態)と定義されています。現在バックログになっているプロジェクトは全て、PPAやFITの契約を締結済み、あるいは締結する可能性がかなり高い状況にあります。
当社のパイプラインには、現在開発中であるもののリスクが排除できていない、初期~中期段階のプロジェクトも含まれています。
2020年9月30日時点の当社のパイプラインは下表の通りです。ブラジルで862MWpのPPA、日本で22MWpのFITを新たに締結していますが、これらは2020年9月30日以降に締結したため、下表のバックログには反映されていないことにご留意ください。
プロジェクト・パイプライン (地域別、2020年9月30日時点)(単位:MWp) |
||||
地域 |
建設中 |
バックログ |
パイプライン |
合計 |
北米 |
514 |
1,022 |
3,763 |
5,299 |
中南米 |
731* |
1,539* |
3,765 |
6,035 |
欧州・中東・アフリカ(EMEA)地域 |
– |
382* |
2,628 |
3,010 |
日本 |
70 |
220 |
– |
290 |
アジア太平洋(日本を除く) |
6 |
533 |
1,043 |
1,582 |
中国 |
– |
80 |
– |
80 |
合計 |
1,321 |
3,776 |
11,199 |
16,296 |
注:プロジェクトの総規模(MWp)には、当社の所有ではない、または第三者に販売済みのプロジェクト(中南米の508MWpの建設中プロジェクトおよび63MWpのバックログ、EMEA地域の123MWpのバックログ)も含まれる。 |
当社は、日本においては、かなり高いFIT価格を確保したプロジェクトを多数保有しています。2020年9月30日時点で、日本で開発・建設段階にある当社のプロジェクト・バックログの商業運転開始予定は下表の通りです。
商業運転開始予定
年 |
2020 |
2021 |
2022~ |
合計 |
出力(MWp) |
13 |
66 |
211 |
290 |
当社は、大規模蓄電プロジェクトの開発・供給を先駆けて行っている企業のひとつです。技術の急速な発展、蓄電池コストの低下、大容量蓄電池の需要増、化石燃料発電所の閉鎖の加速に伴い、当社は、蓄電、とりわけ「蓄電池併設型太陽光発電」プロジェクトにとって大きな飛躍のチャンスが目の前にあると確信しています。独自の統合的システム技術と専門性、そして大手モジュールメーカーとグローバルなプロジェクト開発事業者という2つの事業を展開する独特の企業戦略を背景に、当社は、卓越した蓄電ソリューション、とりわけ「太陽光発電+蓄電」ソリューションを提供いたします。
下表は、2020年9月30日時点の当社の受注済み、ならびに、今後受注予定の蓄電プロジェクト案件パイプラインをまとめたものです。
稼働中 |
バックログ |
パイプライン |
合計 |
|
蓄電プロジェクト(MWh) |
3 |
1,201 |
4,842 |
6,046 |
稼働中の太陽光発電所について
当社の稼働中の発電所は2020年9月30日時点で計537MWp、正味推定再販価値総額は約5.62億ドルです。推定再販価値は、当社が現在交渉中の販売価格、または当該市場における同様の資産の取引価格に基づいたものです。
稼働中の発電所(単位:MWp) (地域別、2020年9月30日時点) |
||||
中南米 |
日本 |
アジア太平洋 (日本を除く) |
中国 |
合計 |
100 |
82 |
96 |
259 |
537 |
注:プロジェクトの総規模(MWp)には、すでに第三者に販売済のアジア太平洋(日本を除く)の26MWpを含む。 |
※本文は、2020年11月19日(木)に発表されたカナディアン・ソーラー2020年第3四半期の業績発表プレスリリースの一部を参考和訳したものです。原文(英文)は、以下のリンク先をご覧ください。